こんにちは!
親子のコミュニケーションをスムーズにして子どもの発達を加速する
『発達科学コミュニケーション』
トレーナーの小平季枝(こだいら きえ)です。
ブログを訪ねてくださってありがとうございます。
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特別な授業の日(土曜授業を例にしています)に学校に行けない・行きしぶりをする発達ちゃんの、
①明日学校と言われてもすぐにはそんな気持ちになれないでしょ。
②土曜日はお休みの日だ!(いつもそうじゃん!)
③せっかく遊べる土曜日に授業なんて、時間がもったいない!むだだ!
の主張から、今回は最後の③についての解説・対応です。
好きなことが一番優先
発達ちゃんは、「待つ」のがニガテです。
「せっかく遊べる土曜日に授業なんて、時間がもったいない!」というのは、つまり、遊ぶという”楽しいこと”を”待て”ないんですよね。ルールより自分の興味のほうが勝ってしまうわけです。
義務感で行動できない、と言ってもいいと思います。
これは、発達ちゃんの脳では、”報酬系”という神経回路がうまく働かないことが原因になっています。
”報酬系”というのは、脳にとっての”報酬”を期待し、”実行”する機能のことです。
・・・て、どういうこと??
ざっくり説明します(#^.^#)。
”楽しい”ことや、”嬉しい”ことや、”満足感”などは、脳にとっての”報酬”・”快感”です。
普通の子どもだと、土曜授業を受けることについて以下のようなものが報酬となります。
a)土曜授業を受ける義務を果たしているぞ、という満足感や達成感が報酬
b)土曜授業を受けた後に受け取ることができるもの(授業が終われば遊べる)が報酬
報酬系が働く、というのは
A)実行する気持ちが出て(やる気がおきて)、実行する。
B)先の報酬を期待して、いま我慢ができる。
というふうに、脳が報酬を認知し、実行に移すこと(我慢も含めて)です。
aーA、b-Bが対応していますね。
「土曜授業なんて、行きたくないなあ。それよりも遊びたい」なんて、どの子も思っているじゃないですか。
けれど、報酬系が働いているため、義務感で行動することができるんです。ちょっとくらい嫌だなと思っても、そこまで苦労せずに普通に土曜授業に行きます。
aやbを、脳の報酬として認知することができるんですね。
発達ちゃんは、この報酬系の働き方が極端というか、適正な範囲内で働きにくいです。
脳がaやbを報酬として受け取りにくい状態なのです。
逆に、自分の好きなこと・興味のあることには、過剰に反応します。
そうすると、
自分の興味 >>>>>>>>>>> 義務やルール
となってしまうため、ぜんぜん土曜授業に行く気になれないんですね。
これが、土曜授業に限らず、「待つ」「我慢する」ことができずに、「好きなこと」「興味あること」が最優先になってしまうグレーゾーンの子の”報酬系”のしくみです。
けして、わがままで言っているのではないのです。
このことを周囲が理解せずに、「わがまま」と見てしまうと、本当はそうではないのに本人の人格を否定することになってしまいます。”誤解による否定”が、グレーゾーンの子どもたちの一番の生きづらさではないでしょうか。
報酬系を稼働させるには?
では、そんな凸凹ちゃんたちの報酬系をどうやって働かせましょうか?
2つのアプローチを提案します。
この2つはどちらも並行してやっていくことが、ルールを守れるようになる近道だと思います。
①ご褒美を用意する
②普段から、ルールや倫理観を伝えていく
1つ目に、グレーゾーンの子どもに自分の興味外のことにモチベーションをつけさせるのには、ご褒美が無いと厳しいです。
ご褒美というのは、”わかりやすい脳の報酬”とでも言ったらよいでしょうか。
普通の子どもだと報酬として認知できるaやbのようなものには反応しにくいので、別途わかりやすい報酬を用意するわけです。
たとえば、
・土曜授業に行けたらシールをもらえる表を作る。シールをためて欲しいおもちゃがもらえるなど。(←家でシール表を備えてもいいし、担任の先生に貼ってもらう、でもいいと思います)
・土曜授業に行けたらお昼ごはんは家族でレストランに行く。
・土曜授業に行けたらおやつにケーキ。
・土曜授業に行けたらゲーム15分OK。
などです。
さらに、
●土曜授業に行けたことを認める。
●土曜授業に行けたことを喜ぶ。
のような”肯定”も、とても嬉しい報酬となりますよ!声かけだけですから、必ずプラスしてほしいです(*^。^*)
そのうち、●の声かけだけでOKとなり、さらに何も言わなくてもできるようになっていきますので、担任の先生と連携して2重に褒めるなどして、行けたことを本人にしっかりと気づかせてあげて下さいね。
ここで、
『土曜授業に行った → ご褒美がもらえた』
という”因果関係”を体験することがとても重要!!!です。
くれぐれも、行かなかったのにご褒美がもらえた、という体験にはしないことも大事と思います。
行けなかったら、怒らないでスルーして、普通に報酬もスルーです。
2つ目に、ルールや倫理観を、普段の何もないときにインプットしていくことも、発達ちゃんにとってとても必要なことになります。言わずもがなのことが、そもそも入っていないことが往々にしてあります。
(※とても細かいことまでルールや倫理観を行動基準にすると、そんなロボット人間はこれからの時代には取り残されていく人材となってしまうので注意です!アイデア満載で自分の興味に熱中する発達ちゃんなので、そこは是非とも活かしたいです。けれども周囲と気持ちよく暮らすこともまた発達ちゃんにとっての幸せのための課題ですね。)
反発しているときでは、反発しているのでいくら言っても入っていきません。
普段の機嫌の良い時に、
・第2土曜が学校に行く日だよ(ルールの確認)
・土曜授業、行けたらかっこいいね(ルールを守る行動の善をインプット)
・ママは、土曜授業に行ってほしいな(”ママ”主語で)
普段のインプットが土台にあるからこそ、当日、お子さんがやる気になるためのハードルが下がります。
普段のインプットが無いと、その都度、お子さんはとても高い壁を乗り越えるつらい試練になってしまいますよね。
普段のインプット + 実行したときのご褒美
で、ルールを守りやすい環境を整えたいですね。
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最後までお読みくださり、ありがとうございます(^o^)
お子さんとお母さん、
そしてご家族の未来を変える力を、
一緒に育んでいきましょう!