こんにちは!
親子のコミュニケーションをスムーズにして子どもの発達を加速する
『発達科学コミュニケーション』
トレーナーの小平季枝(こだいら きえ)です。

ブログを訪ねてくださってありがとうございます。

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前回は、
特別な授業の日(土曜授業を例にしています)に学校に行けない・行きしぶりをする発達ちゃんの、

①明日学校と言われてもすぐにはそんな気持ちになれないでしょ。
②土曜日はお休みの日だ!(いつもそうじゃん!)
③せっかく遊べる土曜日に授業なんて、時間がもったいない!むだだ!

の主張から、①の解説や対応策をお話しました。
気持ちの切り替えが下手っぴ、というお話でしたね。
ルールは理解していても、自分に置き換えられていないという脳の特性や、
目に見えないものの変化・変更について、想像がしにくい、という特性の表れでもありました。(記事はこちら→「特別な日だけ登校しぶりをする発達ちゃんに、ポイントを押さえた予告を!」

今日は、②について話しますね。
「土」の漢字イラスト

いつもと同じがいい発達ちゃん

①とも通じるのですが、
環境の変化がニガテなのは、アスペルガー系の要素の強い凸凹ちゃんの大きな特徴です(ADHD系でも変化のニガテな子はいます)。
このブログでも以前お書きした(環境の変化が不安なグレーゾーン新1年生の登校しぶり・不登校)、小学校入学や進級でのクラス替えなどの大きな変化はもちろんのこと、朝ごはんのおかずや、ズボンの色などでも、ちょっと変わると怒ったりする子もいます。スケジュール変更のように、自分のやることが変わるのも、すごく抵抗しますよね。

なんでですかねー?

まずは自閉系(アスペルガー)のお子さんには、様々な特性の大元に、程度の差はあっても感覚の偏りがあることを頭に置いておくと、いろいろと理解しやすくなります。
感覚の中でも基礎になる触覚・固有覚(体の位置や関節の角度の感覚)・前庭覚(体の回転や傾きを感じる感覚)が正しく認識されないと、自分自身の物理的な存在の感覚が安定しません。
さらに視覚・聴覚などの過敏によって、発達ちゃんは、この世界は自分を混乱させる怖いところ、という目に見えない意識を根底に持っているようです。

自分のカタチ(心も体も)の意識の希薄さや、この世界への不安・恐怖が基本的にある、というのは、息子を見ていて感じます。それが、様々な本人の生きづらさにつながっていると考えると腑に落ちることが多々あるのです。

感覚の偏りから自分自身の物理的な存在感が育まれにくく、外部環境にも左右されやすいことにより、さらなる外部環境の変化・変更は、自身の存在感への不安と恐怖をあおるものになってしまう、という構図です。
その時に起こった具体的な変化・変更そのものが嫌、というより、これ以上自分を保てなくするもの全般への不安・恐怖・抵抗というかんじです。

発達ちゃんの”いつもと同じ”だと安心するわけ、感覚の問題が大元にあると捉えて、以下に話を続けます。

どうすれば安心?

発達ちゃんの抱えている、この世界への不安や恐怖は、本人にとっては赤ちゃんのころからずっとあるし、自分で意識しているものでもありません。
しかし不安や恐怖を常に感じているということは、脳が常にストレスにさらされているということです。適度なストレスは成長の起爆剤になりますが、過度のストレスは成長を妨げることは明らかですよね。

まずは”この世界は怖くないよ”という安心感・安全感が常に持てるような環境にしたいですね。

子どもにとって、お母さんは最大の人的環境です。お母さんからもらえる安心感・安全感を確保してあげたい!それだけでずいぶん違うんです。「ガミガミママ」だと、完全に逆を行ってますよ~。あなたも、ここを腑に落として、変わってみませんか?少しずつでいいので。。。
怒らずにどうすればいいのかは、ブログ内でたくさんお伝えしています。いろいろ読んでみてください(^^)

つぎにおすすめなのが、皮膚に触れてあげること(タッチ)です。桜美林大学教授の山口創先生の著書などに詳しいので、ご興味のある方は読んでみられるといいと思います。
発生学的に皮膚と脳はルーツを同じにする(受精卵の外胚葉)ため、皮膚は「体表を覆う脳」とも呼ばれたりします。
そして皮膚には触覚センサーがありますが、その中の1つに、脳の視床下部や扁桃体などに届いて、触れることでストレス反応をブロックしたり副交感神経を優位にしてリラックスさせたり「快」の感情を呼び起こさせたりするセンサーがあり、優しいマッサージでこのセンサーを発動させるのです。
また、触れられることにより、「幸せホルモン」「愛情ホルモン」「絆ホルモン」などと呼ばれる”オキシトシン”という神経伝達物質も分泌されます。

ベビーマッサージなども流行っていますが、お母さん(もちろんお父さんでも)が赤ちゃんを優しくマッサージすることによって、赤ちゃんの表情が穏やかになっていき、安心感に満たされていきます。これは、そのまま脳をマッサージしてあげてるのと同じで、脳内の「快」を増やして脳の成長を促しているんですよね。
”安心感”、出ましたねー!優しいマッサージは、自分を大事にしてもらえているという、自己肯定感にもつながりますし、お母さんの愛情を届けて信頼関係を深めることにもつながります。そしてなんと、マッサージしている自分自身もなぜか心が平静になってくるんですよ!

自分の体への意識が希薄な凸凹ちゃんのために、体の部位を「ここは肩~」など声に出しながらのマッサージでもいいですし、手首足首・指の関節・肘膝などの関節部分をお母さんの手で覆って、少し圧迫すると、固有覚(関節の位置を知る感覚)が刺激されます。触覚の過敏があってマッサージを嫌がる子でも、圧迫は大丈夫な子もいますので、試してみてくださいね!
また、その子その子によって気持ちのいい部位が違うので、お子さんが嫌がらない部位を見つけましょう。私の息子がわりと安心するのが、背中・肘から先・すね・ふくらはぎですかね~。これらは特に寝転がらなくても、服の上から座ったままできます。私はよくテレビを見ながら背中をさすったりしてます。

触覚は、自分の存在も含めた「この世界の確かさ」を感じる、感覚の中でも基礎になる感覚です。触覚から安心感を得ることは、発達にとってとても大事なことです。

外部刺激を安心感に

外部環境に対して不安感・恐怖感をもっているからこそ、”いつもと同じ”にこだわる発達ちゃん。
その外部環境を”安心なもの”にするための方法をお伝えしましたが、腑に落ちたでしょうか?

・ママという人的環境を安心なものにする(ガミガミママNG)
・タッチケアを日常に取り入れてみる

無意識のうちに不安感や恐怖感を基本に持っている発達ちゃんのこの問題は、ほかの様々な特性や困りごとに、直接的にも間接的にも大きく関わっていると私は考えていますので、一時的な対応ではなく、毎日の基本に取り入れてほしいなと思います。

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最後までお読みくださり、ありがとうございます(^o^)

お子さんとお母さん、
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一緒に育んでいきましょう!