こんにちは!

親子関係コーディネーター 松生典子(まつお のりこ)です。

ブログを訪ねてくださってありがとうございます。

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運動会シーズンに合わせて、行事が苦手な発達障害(グレーゾーン)の子どもの困りごとと、周囲の大人がしてあげたい配慮とサポートを4回シリーズで書いています。

シリーズ#1:運動会当日の不安
シリーズ#2:感覚過敏と行事
シリーズ#3:運動が苦手な発達ちゃん
シリーズ#4:勝ち負けにこだわりすぎて運動会がつらい

今回は、シリーズ#2です。
運動会のピストル

感覚過敏ってなに?

発達が凸凹しているお子さんで、とくに自閉症系(アスペルガー)では、何らかの感覚過敏を持っている場合が多くあります(自閉系に多いですが、ADHDにも起こります)。

感覚過敏とは、感覚器官は正常に外部刺激を受け取って脳に送っているにもかかわらず、脳の情報処理に不具合があって、普通よりとても敏感に受け取ってしまう(※反対の’感覚鈍麻’もあります)ことです。

また、それらの情報をうまく取捨選択できなかったりします。例えば聴覚過敏だと、授業中には先生の声にフォーカスして、廊下の足音を無視することが普通の子は無意識にできますが(そういう脳の機能があります)、脳での受け取りがうまくいかないと、廊下の音も消えずに全て耳に入ってくるということです。

とても強い過敏性があると、音が痛くてその場にいられないこともあります。ものすごく大きな音を聞くと、耳や頭が痛くなること、わかるかと思いますが、凸凹ちゃんでは我々が気にならない普段の音に対してもそういった嫌な経験をしています。
とくに行事ごとでは大きな音や大勢の人のざわめきなどであふれているので、その場に居られず、逃げ出してしまったりします。

聴覚過敏は、常に出ているとは限りません。体調が悪かったりストレスを抱えているときに、よりはっきりと表れやすいです(健常でも、ストレスが耳にくることありますよね)。

ですので、ふだん過敏性からの困りごとが無く、お子さんに感覚過敏があることに気づいていない、あるいは感覚過敏は無いと思っていても、運動会などの行事をいつも嫌がるのなら、聴覚過敏や視覚過敏などがあるかもしれないことを、考慮してみてくださいね。

どんな音が嫌?

聴覚過敏に絞って、少し具体的に見てみます。

聴覚過敏があると、どんな音がダメなのかと言うと・・・
・大きな音
・たくさんの人のざわめき
・ピストルや赤ちゃんの泣き声、犬が吠えるなどの、突然の大きな音/声
・自分が見ていない(出所がわからない)方向からの音

などです。その子その子によって特異的に不快な音(ドライヤーの音・高い女性の声など)もあるかと思います。

こうして挙げてみると、運動会って、上記のような音に溢れていると思いませんか?
聴覚過敏だけを取ってみても、凸凹ちゃんにとって、行事の恐怖感は半端ないのです。

音が苦手というだけではない

そしてこの感覚過敏は、単に音に敏感でうるさいから苦手、というものではなく、
・心臓がどきどきする。
・呼吸が早くなる。
・パニックになり思考が停止する。
・逃げ出したくなる。
・不安感や恐怖感を強く感じる。
・嫌なことを思い出してしまう。

などの症状も伴うため、お子さんは本当に辛い状況です。
不安感や恐怖感は、どきどきするなど一連の自分の変化によって、さらに増幅されているかもしれませんね。

単なる好き嫌いとは訳が違うということをぜひ知っておいていただきたいです。

これらはすぐに慣れるものでもなく、自分の努力で減るものでもなく、コントロールできるものでもありません(成長とともに、経験から少しずつ改善していきます)。
ですから、その環境に慣れるだろうとこちらが考えたり、頑張れと本人に努力させたりすることは、グレーゾーンのお子さんにとって、とても生きづらい環境となるわけです。

アスペルガーに加えてADHDの要素を強く持っていると、不安感をハイテンションで表出させる子もいますので、いつもよりわかりやすくはしゃいでいれば、音から遠ざけてクールダウンしてみるといいかもしれません。

運動会当日の感覚過敏による不安のとりのぞき方

では、聴覚過敏が原因で運動会をしぶっている場合、私たち周囲の大人はどんなサポートができるでしょうか?
繰り返しになりますが、ここは本人に頑張らせるところではないですよー!

例えば自分が犬が怖いとして、犬がそこに居たらどうしますか?
避けるために遠ざかりますよね。
それと同じで、①音を遠ざける、②音をふせぐ、③音を小さくするなどで、音による不安感・恐怖感を少しでも軽減することができます。

それぞれ具体的には、
①少し離れた場所から見学させてもらう。
②耳栓、イヤーマフなどを活用する。→これを嫌がったり、恥ずかしいと思ったりすることも考えられますので、日よけのフリしてタオルを頭から被って耳をふさぐ、という手も。
③お子さんが出場する競技だけでも、ピストルの代わりになるものに替えてもらう。
などでしょうか。

本人が楽しんでリラックスしていれば、聴覚過敏は気にならないこともありますので、本人が訴えたときにはいつでもクールダウンしていいと言ってあげられる体制が一番かもしれません(*^_^*)

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次回は、運動が苦手、という点から、
運動会を嫌がる凸凹ちゃんのお話したいと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございます(^o^)

お子さんとお母さん、
そしてご家族の未来を変える力を、
一緒に育んでいきましょう!