こんにちは!

親子関係コーディネーター 松生典子(まつお のりこ)です。

ブログを訪ねてくださってありがとうございます。

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5月、6月と運動会シーズンですね。
私の子どもの頃は、9月、10月に開催されるのが一般的で、「秋の運動会」というフレーズが染みついています。
夏休みにも運動会の練習のための登校日があったことを覚えていますが、いま私の住む地域では梅雨入り前に運動会です。

発達障害の特性があると、運動会を始めとした様々な行事の1つ1つに、高い壁があります。
とくにグレーゾーンの子では、本人のつらさをよそに、”普通に参加すること”のほうに周囲の大人がフォーカスしてしまいがち。
一番困っている本人のために、理解してあげたいことや対応などを、私の息子が小学校1年生ののときの運動会の出来事を下地に、4回シリーズで書いてみます。

シリーズ#1:運動会当日の不安
シリーズ#2:感覚過敏と行事
シリーズ#3:運動が苦手な発達ちゃん
シリーズ#4:勝ち負けにこだわりすぎて運動会がつらい

今日は、シリーズ#1です。
運動会の国旗の写真

発達障害(グレーゾーン)と行事

発達に凸凹があると、運動会・音楽会・遠足その他行事ごとがあるたびに、お子さんが嫌がっていろいろな抵抗をして、お母さんとともにクタクタになってしまいます。

感覚過敏のある自閉症タイプのお子さんでは、パニックになることもあります。
ADHD系では、テンションが上がってはしゃぎすぎて注意をされ、行事には怒られる記憶が必ずセットになってしまう、という場合もありますね。
自閉系とADHD系のどちらもある子では、基本的に不安感を感じていて、不安感を表現するのがはしゃぎになる、という構造だったり。

いずれにしても、学校生活を楽しく豊かに彩るはずの行事が、毎回嫌な記憶になってしまうのは、本人にとっても家族にとっても、望んでいることではありませんよね。

校門をくぐれない!?

息子が小学校に入学してはじめての運動会当日、息子・夫・私の家族3人で一緒に家を出て、登校しました。

リュックを背負い、家族と一緒に登校する児童たちの姿が通学路にたくさんいました。運動会の試験アナウンスの声も聞こえていました。

ちょっとウキウキしたような空気のなか、校門の目の前の信号機で息子の足はピタっと止まってしまいました。

そして、どうしても校門をくぐれないのです。

そのまま息子の足は学校に面した公園に向かい、私たち家族3人は、そこから運動会を見ることになりました。
子どもが動かないので、そうするほかはなかったのです。

変化に弱い発達障害(グレーゾーン)

自閉症タイプ(アスペルガー)のお子さんは、いつもと違うことに適応するのがとても苦手です。
朝ご飯のおかずとか、ズボンの色だとか、とても小さなことだと思うようなことも、いつもと違うと怒ったりします。

行事や旅行などは、もっと大きな変化です。変化が苦手な子に耐え難い不安や恐怖を感じさせ、無理にさせようとするとパニックに至ってしまうこともあるので、強要は厳禁です。
(パニックのことはいずれ書こうと思いますが、とにかくパニックを起こさせないことが肝心です!)

誰もいない公園で、すべり台をすべったり、桜の実を拾ったりなどしながら気持ちを落ち着けていた息子は、しばらくしてなぜ学校に入れないのか話してくれました。

・たくさん飾り付けがしてある
・いつもと音が違う
・なんか雰囲気が嫌
・予行演習の時と同じじゃない
・家の人たちが来ていて、すごい数の人から見られる
・白組が負けるかもしれない
・50m走で一番になれない
・1年生のダンスがかっこよくないから踊りたくない

・・・凸凹ちゃんが行事を嫌がる理由、言ってくれないこともよくあると思いますが、だいたいこんなかんじではないでしょうか。
前半部分が、いつもとの変化に敏感に反応しているところですね。

ちょっとずつ慣れていくのに付き合ってあげる

校門をくぐらず、近くの公園から運動会を見る、という対応は、子どもが自分で無意識にしたことです。
けれどここに、行事を嫌がったときの対応や支援のポイントが隠されています。

凸凹ちゃんは変化に弱いですが、一度やったことやゆっくりと慣れていくのであれば、最終的にはできるようになることがたくさんあります。

一度やったこと、というのも、予行演習やビデオを見せるなどで効果のある子もいますし、息子のように、実際に本番を味わわないと一度やったということにならない場合もあります。

アスペルガー系のお子さんは、予行演習やビデオなどは、自分の本番とは厳格に線を引いている場合がありますので、事前に対策を立てたつもりでもうまくいかないこともあります。

ですので、もし学校で支援員の先生などにお願いができるのであれば、事前にこういった特性を説明して理解を得たうえで、
「少し離れた落ち着ける場所から、見学させていただけませんか?」とお願いしてみるのも手です。

全体を見やすい教室などから見学させてもらえるかもしれません。
参加できそうな気分になってきたところから、参加させてもらえばいいのではと思います。

行事当日は、先生方はとてもお忙しいので、あらかじめ担任の先生や特別支援コーディネーターの先生などに相談しておくのが望ましいです。

また、子どもにも、「気持ちがザワザワしたら、先生に言って見学させてもらっていいんだよ。」と安心させ、見学させてもらえる場所なども具体的に伝えてあげられれば、当日の不安も少し軽減するので参加しやすくなります。

大人が焦らないことが一番

今回は、行事を嫌がる発達ちゃんのために、環境の変化への適応が難しいという面からのアプローチを書きました。

行事に参加させることにフォーカスするのではなく、焦らずゆっくり慣れさせる!が最重要事項です。

ゆっくり慣れさせるのは、その日の運動会の中だけで完結しないかもしれません。年次を超えて持ち越しの課題になるかもしれませんが、子どもに強烈な嫌な思い出を作ることが目的ではありませんからね、「よく見学できたね!」と褒めるくらいで行きましょう!

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次回は、感覚過敏の点から、
運動会を嫌がる凸凹ちゃんの感じ方を
お話したいと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございます(^o^)

お子さんとお母さん、
そしてご家族の未来を変える力を、
一緒に育んでいきましょう!