こんにちは!

親子関係コーディネーター 松生典子です。

ブログを訪ねてくださってありがとうございます。

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今回は、”褒め”について、少し書いてみたいと思います。
グレーゾーンの子どもへの対応というだけでなく、どのお子さんにも参考にしていただける考え方かと思いますので、読んでみてください(^^)

”褒め”はあったほうがいいの?

先に結論を言いますと、「ポイントを押さえれば、積極的に使いたいもの!」です(^^)
”褒め”については、良いイメージをお持ちの方、反対に良くないイメージをお持ちの方、
さまざまだと思います。
さまざまになるのは、褒めの使い方によるのであって、上手く使うと、とても頼もしい発達促進ツールになるんですよー。

”褒め”は何に対してあげる?

まずは、何に対して褒めるのか、について分類をしてみますね。

褒めは、「子どもの行動」に対してと、「その結果」に対してに分かれると思います。
例として、”一生懸命走ってかけっこで1番になった”のなら、
・「子どもの行動」→一生懸命走ったこと
・「その結果」→1番になったこと
ですよね。褒めるのは、なるべく「その結果」にではなく、
「子どもの行動」に対して、が良いですね。

「一生懸命走ってたね!」なら、たとえ結果が1番でなくても使えますね(^^)
結果を喜びたいときも、「やったあ1番!一生懸命走ってたもんね!」と、
結果が子どもの行動によってもたらされたことを喜んであげたいですね。
つい「1番すごい!!」と、「その結果」を称賛しそうになりますがね。
「その結果」に注目するクセがあると、「4番かー。でもがんばったがんばった」など、ぜんぜん嬉しくない、むしろ本人の気持ちをくじく声かけになってしまいますので、常に”「子どもの行動」に注目”を意識してみましょう!

褒めどきは?

凸凹育てで苦労することの1つに、「生活習慣が身につかない」というのがあります。
褒めることは、この難関の頼もしい助っ人になってくれるんです。

上記の運動会は特別なイベントでの例でしたが、
日常的には、身につけたい行動習慣に対して、できたときにすぐに褒めていきます。
できたことを言語化して、さらに笑顔を見せたり嬉しい声のトーンなど、非言語の快の感覚情報とともに子どもに伝えるのです。

この、笑顔や声のトーンをセットにすることって、けっこう大事です。
脳は、言語的な情報よりも、非言語の情報を先に処理します。
そして、脳に入った情報に、まず”快”や”不快”などの感情ラベルを貼り付けます。
この感情ラベルが良いものであれば、脳は喜んでその情報を”思考”するようになるんです。
ですので、笑顔や嬉しい声のトーンなどで、先に”快”の感情ラベルを貼り付けておいて、言語化した言葉を子どもの脳に処理させるという作戦、というわけなんですね。
褒めやすい事であれば、意識しなくても普通にやってることですね(*^_^*)
グッジョブサイン

1つ注意点として、
子どもが当たり前にできていることまでも、なんでもかんでも良い行動なら褒める、というのではなく
すでに習慣化していることや、できていなかったけどできるようになったことに対しては、過剰な褒めは不要です。

過剰すぎる褒めは、”肥大化した自己”を誘発しますので、注意が必要です。
この点に関しては、別に記事を書きますね。

そんな注意点も有りますが、基本的には、積極的にたくさん褒めることを推奨します!

何をご褒美にあげるの?

望ましい行動をした場合、ご褒美をあげることもありますね。
ご褒美には、広くは”肯定(褒め・認め)”も含むでしょうし、
狭い意味では”モノ”という物理的なものを指すと思います。

”肯定(褒め・認め)”には、
・声かけ(「きれいに靴を揃えてるね」など)
・ジェスチャー(グッジョブサインやガッツポーズ)
・接触(抱っこや頭ポンポン、ハイタッチなど)
・行動(一緒に遊んだり、好きなおかずを作ってあげたり)
・ポイント(〇〇をしたらシールやはんこをもらえて、溜まれば特典)
などがあります。

一方、”モノ”というのは、オモチャやお菓子など、ですね。

この記事では、ご褒美は”モノ”としてお話します。
気を付けたいのは、ご褒美にモノをもらうと、モノの吸引力は、あなたが思っている以上に強いということです。
褒めて定着させたかった「子どもの行動」よりも、「ご褒美」に子どもの意識が持って行かれてしまって、いわゆる”ニンジン”になってしまいがちです。
とはいえ、100円ていどのお菓子を買ってあげたり、家で出すおやつの量をいつもより増やしてあげるくらいなら、セーフ圏内と思います。

息子の場合の定着過程

息子の場合で具体例を見てみたいと思います。
なかなか生活習慣が身につきにくいグレーゾーンの子どもや、
健常さんでも言うことを聞かなくて毎日の生活がスムーズにいかない子に
さまざまな習慣をつけたいときに、「褒め」を使いながら習慣化を促すことは、結果的に近道だと実感しています。

息子が空手を習い始めたころ、道場に入るときには自分の靴を揃えて並べておくように指導する先生でした。
ある日、帰宅すると、道場と同じように、自分の靴をきちんと揃えてから家に上がりました。
「へ~、こんなことするようになったんやね!」と感心(←認めと成長を喜ぶ声かけ)すると、
次の日から、毎日、自分の靴をきれいに並べます。
最初のうちは、その度に、「きれいに並べたねー」とか「毎日忘れずに並べるんだね!」とか「武道の心が身についてきたな~」など、褒めの言葉をかけていました。

そのうち、「今日もそろえて気持ちいいね」と私が言うと、
「なに?そんなのフツー」
などと返ってくるようになりました。

こうなればしめたもの(*^。^*)

褒められても嬉しくなくなれば、もう褒めは卒業です!
生活習慣の褒めに関して、こうなるときがやってきます。
これ以上過剰に褒められると、子どもはバカにされたように感じます。
褒めやご褒美は、サーっと静かに封印して、こちらも靴を揃えることが当たり前として振る舞えばいいのです。

息子は今でも毎日外から帰ると靴を揃えますし、なんなら私の靴まできれいに並べなおしてくれます。
習慣化するまでのあいだ、行動に対する褒めを集中的にもらって定着し、卒業した例です。

この例では声かけだけでしたが、「声かけ+ちょっとしたモノ」の合わせワザも、ずいぶんお世話になっています(詳しくはこちら → ルールが守れずに自分の欲求・興味が最優先な子にどう教える?)。
この場合は、段階的に、「声かけ+モノ」→「声かけのみ」→「何もなし」という具合に減らしていきます。
やってみるとびっくりすることに、子どもの方から「もう、これやったからってお菓子とか要らんし」と言ってきたりします!
お試しあれ(^^)

次回も、褒め関連のお話をもう少し深めてみたいと思います。

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最後までお読みくださり、ありがとうございます(^o^)

お子さんとお母さん、
そしてご家族の未来を変える力を、
一緒に育んでいきましょう!