こんにちは 松生典子です。

前回の記事
田中哲先生の講演会「子どもの登校拒否・不登校をどう理解するか」の続きです。

まずは現代の不登校の型のおさらいから。

1.不安の表出としての不登校
2.発達のバリアンスとしての不登校
3.生きるための選択としての不登校

でしたね!
前回、1.2.をご紹介しました。

今日は、田中先生が最も現代的な不登校の型とおっしゃる
「3.生きるための選択としての不登校」の段です^_^

自分の”居場所”の感じ方

田中先生は「生きるための選択としての不登校」を、
「適応のための選択としての不登校」とも言い替えられていました。
究極のところ、人は”適応”できないところでは”生き”られないんですね。

”適応できていない(と自分で感じている)学校に行かないことによって、生きることができる”
ということですよね。
胸が締め付けられました。

ここで大事なことは、「自分が適応できていない」と、感じてしまう心の状態です。
「自分がそこに居てもいいんだ」と、自分(の存在・価値)にOKが出せないんです。

”自己肯定感”とか”自尊感”とか言われるものって
”どんな自分も無条件に認めること””自分の存在を価値あるものと認めること”
と説明されることが多く、それはそうなのですが、
今ひとつ、もやっとした理解だったんですよね。あなたはすっきり腑に落ちていましたか?

そんなモヤモヤ感が、

”自己肯定感””自尊感””自分らしさ”=”居場所”

と言われて、残りのピースがはまった気持ちになりました。
存在するって、居場所があってこそ成り立ちますものね。
子どもの自己肯定感・自尊感を育てるには、居場所が必要、ということです。

子育ての視点からさらに言うと、子どもがのびのびと存在するには、心地良い居場所が必要だし、
子どものころの居場所は周囲の大人が作るのだから、
ガミガミ言って居心地を悪くすることの結果は、叱った行為を直すことよりも、
自己肯定感・自尊感を下げることに繋がってしまうことのリスクのほうがが大きく、
あとあとの子どもの発達や生活に影を落としてしまう原因になる可能性があります。

ちょっと横道にそれてしまいました(汗)

田中先生のお話では、この観点から不登校の現象を見ると、
学校に行くこと(居ること)はその子にとっては
自尊感(自分が自分らしさをOKとできること)が切迫した危機を迎えることに等しい
から、行けないんですね。

学校に行くこと(居ること)によって危機状態になるほどに、
もともとの自尊感が乏しいということになります。

こういう子どもは、
・特別支援級に在籍している
・頑張りすぎ
・自分の居場所への感受性が高い(居場所が無い不安)
などが見られるようです。

自分が褒められる行動ができてこそ、居場所があるように感じている子どもです。
ありのままだと、居場所が無いように感じているのですね。
 

元気のない女の子
どうしてこんなに自尊感が低くなるのでしょう?

being と doing

ここで、being という言い方が登場します。
being は、自己肯定感・自尊感のことであったり、自分の気持ちや心、それに、自分らしさも being です。
状態を表しているので、外からは見えません。
居場所は、自分の being が無条件に認められている場、と言えますね。

さらに、doing という言葉も出てきます。
こちらは、行動や能力のことです。
重要な点は、周りの大人は、doing でしか、子どもを評価できていないことがあるということです。

『being を持たない doing は無い』
と田中先生は言われました。
つまり、doing(学校に行かない)には、かならずbeing(自己肯定感・自尊感・自分らしさ)の問題が背景にあるということです。

これが、もっとも現代的なの不登校の型である
「3.生きるための選択としての不登校」の本質だというのです。

解決の糸口は親の beingだった!

そんな being の問題である不登校に対して、親としてどのように取り組めばいいでしょうか。

不登校になった時の、子どもと親の being・doing の影響フローを見てみます。

【子】being

【子】doing(不登校)

【親】being(動揺する・不安)

【子】being(大人の動揺は、直接子どもの心(being)に影響する)


【子】doing(不登校)

続く・・・

赤字のところ、注目です!
親の being が、子どもの being に直接影響しています!

このフローで大事なことは、
【親】は being しか出てこないところです。
親として、この悪循環を断つためには、親の being を良くすることがカギになるようです。

親が余裕を持つことで、子どもが「自分はこのままでいい」という being を育てることになるのです。

さらに、
doing の修正にばかり注力すると、being をより傷つけることが含まれる場合がある
ということも強調されていました。

子どもの being がいかに大切か、
また、子どもの being のために、お母さんの being がいかに大切かということが、
田中先生のお話でものすごく納得しました。
私のまとめ方で、上手くあなたにも伝わったでしょうか?

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田中先生の講演の内容は、このほかにも盛りだくさんでしたよー。
前回と今回の記事では、そのうちの一部をご紹介致しました。
実際の講演はリピーターも多く、とても心癒され、聞きごたえもありますので、
お近くで田中先生の講演があれば、参加されることをおすすめします(*^_^*)

最後までお読みくださり、ありがとうございます(^o^)

お子さんとお母さん、
そしてご家族の未来を変える力を、
一緒に育んでいきましょう!