こんにちは! 松生典子です。

『感情のコントロール』。
凸凹ちゃんでは大きな大きな課題の1つですが

凸凹ちゃんでなくても
いえ、子どもだけでなく私たち大人でも
やっぱり手こずる、大きな課題ではないでしょうか?

ガミガミママを後悔しているなら尚更ですよね(^_^;)

今日は、
◆感情を言葉にすること
◆そのボキャブラリーを増やすこと
によって、感情のコントロールができるようになる、という話です。
感情・脳

感情を言葉に置き換えることの大切さ

私は以前は、感情を言葉にしてしまうことで、
複雑で微妙な感情が単純化されてしまうような気がしていました
(私だけ??)。

なぜなら
感情というものは感覚的なものなので、
それをちゃんと言葉にするのは難しいと思っていたからです。

<ただただ感情の ”感触” を感じる>
ということは、もちろんすごく大事です
(嬉しくて胸がはずむ感じとか、湧き上がるモヤモヤ感とか)。

いわゆる、
”感情を感じきる”
というやつですね。

これはこれで、その感情を大切にし、
ひいては自分自身を大切にすることとつながっていて、
〈自己受容〉という、大きな心の土台です。

その一方で、”感情のコントロール” という観点からみたときには、
◆感情を言葉にすること
◆そのボキャブラリーを増やすこと
にも、大きな価値があるんです。

それを、脳科学の話題を交えつつ、お話ししていきます(^_^)。

言葉を使うことで、前頭葉が働く

なぜ感情を言葉にすることが
感情のコントロールに重要なのかというと、

「言葉を使う = 思考(前頭葉)が働く」
ということだからです。

さらになぜ、前頭葉が働くことが感情のコントロールに関係するのかを理解するには、
ざっくりと脳の二重構造を知っているとわかりやすいです。

脳二重構造

”古い脳”・”新しい脳”

”古い脳” ・”新しい脳” なんて表現、聞かれたことはありますか?
進化発達の過程からくる、脳の構造や機能の上から
脳を2つに分ける考え方です。

”新しい脳” とは
脳の一番外側で、”脳のシワ” のある大脳新皮質と呼ばれている部分です。
外から見える部分ですね。

”古い脳” とは
”新しい脳” 以外の部分です。
大脳の一番内側の大脳辺縁系と呼ばれる部分を含む、
脳の芯の部分になります。

このように、”古い脳” の上に ”新しい脳” が覆いかぶさっている2重構造と考える理由は、
その機能が大きく違っているからです。
(分け方は、小児科専門医・発達脳科学者の成田奈緒子氏の資料に依っています。この他にも、3つの階層で説明する場合もあります)

感情にまつわる
”古い脳” と ”新しい脳” の機能は、どのようになっているのでしょうか。

扁桃体と前頭葉がカギ

のちに感情となる、〈情動〉という心の動きは、”古い脳” にある扁桃体で作り出されます。
扁桃体の活動情報を”新しい脳”(主に前頭葉)に送り、そこで高度な精神活動がなされます。

さらに”新しい脳” は、扁桃体を鎮める役割も担っています。
そんな役割が必要なくらい、”古い脳” のパワーはとても大きいからなんです。

ここで、”感情の言語化” が登場します。
言葉を正確に話したり、聞いて理解したりするために、中心的役割をする脳の部位があります。
その部位を「言語中枢」といいます。
成人の言語中枢は右利きの人で95%以上、左利きの人は70%以上が左の大脳新皮質にあるといわれています。

感情をなるべく詳細に言語化し、思考することで大脳を使い、
”新しい脳” が働くと、感情的にワーッとなっている扁桃体が沈静化してきます。

そうなって初めて、
次にどうするかとか、振り返りとか、
そんなところに目が向けられるようになっていきます。
切り替える準備ができるというわけです。

これって、社会に出て仕事をする時にも、とても重要な力ですね。
感情をコントロールして、より建設的に考えるように切り替えること。

そもそも扁桃体がワーッとなりにくければ
本当はもっとラクです。

そのためには、自分の気持ちを丁寧に見つめる必要がありますが
自分の気持ちを見つめる練習(練習ってほどでもないですが)については、別の記事で。

子どもが自分で感情のコントロールができるようになるために

さて、こういうことを子どもが自分でできるようになると、
主体性を失わずに課題を乗り越えていくことが可能になります。

大人は、こんな力を育てることをサポートしたいですね(^_^)

この力を子どもが身につけるように大人ができるサポートとして2つあります。

① 子どもの気持ちをわかろうとする
② ①のうえで、「~な気持ち」と、なるべくその状況に合うと思われる言葉を選ぶ

です(●^o^●)

① の、子どもの気持ちをわかろうとする、というのは
興味を持って、表情とか過程などをよく観察するということです。

観察して断定するためではなくて、わかろうとする、っていうのがミソです。
興味深々に、こうかな?って子どものこころの中に問いかけるような感じで見てみる。

そして ② で、いつも子どもの発言を促すように
「今、どんな気持ち?」と、聞いてみる。

ここでなかなか気持ちのボキャブラリーが出てこない時には
その時のあなたの観察から、
「満足そうに見えるよ」「〇〇で悔しい~、ってママなら思うな」
なんて、言ってみる。

ボキャブラリーが無くて、ただただ感情だけを感じているときよりも、
言葉にしたことによって
(あぁ、こういう感覚を”満足”って言うと、スッキリするな)
などと子どもが実感する機会が増えていきます。
これで、自分ごとに落とし込んだ、使える言葉が1つ増えましたね♡

こんな風に、前頭葉をよく使うことを意識することで
感情をコントロールする回路が鍛えられていくんです。

*----------------*

最後までお読みくださり、ありがとうございます(^o^)

お子さんとお母さん、
そしてご家族の未来を変える力を、
一緒に育んでいきましょう!